若手の理学療法士がベトナム訪問で得たもの

CSUN理学療法学科のJanna Beling教授は、文化能力と理学療法士の関係性について、このように説明しています。
「言語、生活習慣、文化、健康の信念の違いは、個人の健康管理や、医療関係者の患者に対する治療の選択に影響を及ぼすでしょう。私たちCSUNを卒業した理学療法士の生徒が、様々な文化の違いに触れ、常に多くの選択肢を持つように心がけてほしいと思っています。そのために、多くの経験を生徒に課しています。最終的な目標として、患者の治療に当たって、理学療法士として、しっかりと文化能力を持ち、最高のケアをしてほしいと考えています」

CSUNの生徒の視野を広げる一環として、教授と8人の大学院生が、カンボジアのシェムリアップとベトナムのダナンを訪れ、地元の病院の診察に参加しました。この3週間の長旅は、様々な多文化体験で構成されたCSUNのコースである、インターナショナル・フィジカル・セラピー(International Physical Therapy)の最終イベントとして設定されています。

CSUNのBeling教授は、2000年代初頭、理学療法士、医師、看護師、歯科医などが参加するNPO、Health Volunteers Overseasとともに、海外でボランティア活動を行いました。HVO教育を通じて、世界の健康状況を改善する目的で設立されたNPOです。

Beling教授は、HVOのベトナムの理学療法士プログラムのディレクターとなり、 2009年、CSUNの学生グループを、実践学習の機会として、ベトナムに連れて行きました。その旅行について、Beling教授はこう説明します。

「私たちが訪れた病院は、アメリカの状況とは異なるものでした。この環境が、学生たちのスキルを伸ばし、才能を発揮することができる学びの場になるだろうと考えています。生徒は、旅行期間中、教室でケーススタディを学んだり、ビデオを見たり、自分の背景や経験について、現地の市民と語り合うこともできます。理学療法士としての学びを超えて、異なる文化を体験します。これらの経験が、文化的能力を身に付ける1つの方法になるだろうと考えています」

Beling教授は、CSUNのキャンパスがある、ロサンゼルスに関して、こう話している。
「私たちは、ロサンゼルスという地域で学ぶことができて、とても幸運だと思っています。コリアンタウンの診療所でボランティア活動を行い、生徒たちは、自分とは異なる文化を持つ患者を診る機会に恵まれています」

Beling教授の活動は、医療従事者が、患者に対して、文化的に適切なケアを行うための積極的な議論を促進しています。 生徒たちは、通訳者とともに、治療の中で、患者に合わせた、効果的な方法を学びます。

Beling教授と学生たちは、アメリカのベトナムタウンでも活動を行なっています。教授は、生徒たが、民族的な要素で構成された、スーパーやレストランを訪れ、民族の多様性、食の嗜好、健康の信念、地域社会プログラムを実際に目で見ることが、重要だと考えています。

この旅に参加した、2人の学生、Keren Pintoさんと Sarah Bradyさんは、自身が経験したことについて、このように語っています。

「様々な治療方法に慣れている患者に出会い、自分自身もリラックスして、治療に専念することができました。患者1人1人が持つ異なる文化背景に触れながら、自分にとっても、彼らにとっても、お互いに新しい知識を得ることができました。彼らが健康にいいと感じることは、彼らにとって、実際に「健康」を生み出すものなのかもしれないし、それは自分にも言えるでしょう。相手のことを知らなければ、自分との違いに気づかず、治療を困難にする可能性があります。知ることができていれば、自分の知識を強化し、彼らとの食い違いを、事前に防ぐこともできます」

Beling教授は、この旅で、様々な国を訪れています。カンボジアでは、小児科の病院を訪れ、ベトナムでは、整形外科とリバビリテーション科を専門とする病院で、2週間のインターンシップを行いました。2009年以来、教授たちの活動の評判が広まり、訪問がテレビで放映されたことで、何百人もの患者たちが、教授と生徒たちの治療を受けたいと集まりました。この状況に、当時、教授たちも生徒たちも、とても驚きました。

教授と生徒たちは、現地の理学療法士や学生に対して、臨床指導を提供しながら、同時に、患者を支援することを、旅の使命として考えています。ある1日のスケジュールを例に挙げると、教授と生徒たちは、早朝、病院に到着し、現地のスタッフとの話し合いをして、その後、患者の治療を交代制で行います。「常にお互いが学べる瞬間を逃さないように、私たちは、よく観察することを心がけています」とBeling教授は語ります。

訪れた病院で、Beling教授と生徒たちは、患者のニーズを分類し、トリアージする作業に時間をかけていました。治療現場について、教授はこのように説明しています。

「本当に困難な状況が多い現場でした。学生たちは、その環境で治療を行うことで、神経学、整形外科、小児科、外来診療所、および補綴/整形外科の実践経験を十分に得ることができたと感じています。自宅でのケア、今まで見たことがない症例などに出会うことも、多くの知識になったと思っています。それらの経験を、各学生たちは日々ノートに書き留め、自分の経験と治療行為を客観的に理解し、反復的に治療と経験を積み上げて、自身のスキルや技術力の向上に役立てていました」

Beling教授と生徒たちが訪れた病院の多くの基準が、アメリカの基準とは、大きく異なっていました。看護師が薬を処方したり、家族が患者を世話したり(ベットシーツの取り換えや食事の世話など)、そんな環境に生徒たちは日々向き合いました。

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