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ベトナムの保険でカバーされない早期癌検査

早期癌検査に保険が適用されないため、ベトナムでは、癌による死亡率が高くなっていると専門家の中では言われています。先週末に開催された国際会議では、ベトナムの癌患者の70%が、末期の状態で癌細胞が発見され、高額な費用とともに、大規模な手術を必要として
いると発表されました。毎年12,6000以上の癌が発見され、94,000人が癌によって死亡しています。

ハノイの保健省とK病院が共同で開催した「癌対策:現状と解決策」には、国内外の医療専門家が多く集まりました。保健省のLe Quang Cuong教授は、世界中の国々、特に貧困国や低所得国や中所得国の発展途上国では、癌が重い負担になっていると説明しました。

ハノイのK病院のTran Van Thuan教授は、癌治療の専門性については、次のように述べています。「癌は、早ければ早いほど、治療が簡単になります。 後期〜末期の摘出は、長い治療期間を必要とするし、効果もあまり期待できません。ベトナムの癌治療率が先進国と比較して低い主な理由は、早期発見が出来ていないからだと考えています」

遅すぎた事例は、下記の証言の通り、ベトナム国内で多く発生している現状があります。

ハノイのプク・トゥー地区に暮らす、Nguyen Thi Dさん(50)は、こう話します。
「ある日、夫から右の助骨が痛むと聞いて、一緒に病院に行きました。その後、医師から、夫が、すでに末期の肝臓癌であると知らされました。懸命に治療を受けたものの、わずか6ヵ月後に亡くなってしまいました」

首都に住む、Phan Thi L (56歳)さんは、こう話します。
「止まらない咳を止めるために、夫は、抗生物質を長期間服用していました。ある日、ひどい胸痛を感じ、検査のために病院に行きました。医師から、彼が末期の肺がんであると伝えられました。 癌を摘出する手術をしましたが、その6ヵ月後に亡くなりました」

愛する人が、癌になったという知らせを聞けば、精神的ショックは計り知れないものになります。そして、どの治療法を選択しても、命を救えないかもしれないという事実は、さらに現実を厳しいものにします。

Nguyen Thi Dさんは、夫の死をこのように語ります。
「夫が長く生きられないことは、医師から告げられた時に理解していました。それでも、私は彼の治療を諦めることができませんでした。医療費は、とても高額で、家族みんなで支払いました。夫の最期は、とても苦しく、痛みの中で亡くなっていきました。この事実は、私にとっても、世界中の遺族にとっても、看病する人にとっても、悪夢なのです。癌には、当事者の痛みだけではなく、高額な治療とその治療が効果を発揮しない悲惨な現実があります」

Tran Van Thuan准教授は、ほとんどの癌は、早期発見されれば、完全に治癒する可能性があると指摘しています。例えば、乳がんが、早期の段階で検出された場合、成功率は95%、第2段階では、70〜75%、第3段階は、65%、第4段階では、わずか5%になります。

Tran Van Thuan准教授は、このように話します。
「最大の問題は、癌検診が早期発見に繋がるにも関わらず、医療保険の対象にならないということです。乳がん、子宮頸がん、肝がん、胃腸がんなどの癌検診に、保険が適用されることを期待しています。早期検診が全国的に実施されれば、早期発見率とがん治癒率を高めることができるはずです。10年間の国家戦略には、癌検診が保険適用範囲であるという記載がありません。この戦略では、2025年までに、地方と都市の政府機関が、抗癌プログラムを実施するために、国の資金を使用することが想定されています。検診は含まれていない状態ではありますが、一部に効果を発揮することは確かです。戦略が実施されることで、成人の70%が、癌という病気とその影響を理解することを助け、成人喫煙率も30%削減し、青少年の喫煙率も、3.6%に減らすことが掲げられています。 成人のアルコール消費量も、10%減少する目標が掲げられています。2025年までには、特定の癌の早期発見が、40%に上昇することも記載されているので、今後の国の政策に期待をするばかりです」